今週は、新規事業を立ち上げる2人の起業家との戦略コーチングセッションを行いました。

新しい事業を始めるとき、多くの人が最初に考えるのは、

「どんな商品をつくるか」

「いくらで売るか」

「SNSでどう発信するか」

といったことです。

しかし、新規事業で本当に重要なのは、商品そのものよりも前に、

「誰の、どんな課題を、どのような独自性で解決し、その人にどんな未来を提供するのか」

を明確にすることです。

今回は、コンセプト設計からマーケティングフロー、ワンステップ動画、流通設計までを一つの流れとして整理しました。


新規事業では、まず「コンセプト」を一文にする

事業コンセプトを考えるとき、私がよく使うのが、

「○○な人が、○○を使って、○○になれる」

という考え方です。

具体的には、

  • どんな人を対象にするのか
  • その人は何に困っているのか
  • 自社独自のサービスは何か
  • どのような付加価値を提供するのか
  • 顧客は最終的にどんな状態になれるのか

を一つにつなげます。

新規事業では、機能やサービス内容を説明することに意識が向きがちです。

しかし顧客が知りたいのは、

「そのサービスを使うことで、自分にどんな変化が起こるのか」

です。

したがって、事業コンセプトは商品説明ではなく、

顧客の未来を表現する言葉

にする必要があります。


ターゲットは「属性」だけでは決まらない

ターゲット設定では、

年齢、性別、地域、業種、企業規模などの属性だけでは不十分です。

重要なのは、

その人が今、どのような状態にあり、何に困っているのか

です。

例えば、

「50代の経営者」

だけでは、まだ広すぎます。

一方、

「後継者はいるが、株式承継と経営承継をどう進めればよいか分からない50代経営者」

まで具体化すると、必要なサービスや伝えるべきメッセージが変わってきます。

つまり、

ターゲットとは、属性ではなく“課題を持った状態”まで定義するもの

だと考えています。


商品ではなく「付加価値」を設計する

顧客は、商品そのものを買っているわけではありません。

商品やサービスを通じて得られる、

変化や結果

を買っています。

例えば、

コンサルティングを買いたいのではなく、

経営の迷いを減らしたい。

AIツールを買いたいのではなく、

業務時間を減らしたい。

研修を受けたいのではなく、

社員に成長してほしい。

ということです。

だからこそ、新規事業では、

「何を提供するか」より「顧客にどんな未来を提供するか」

を先に考える必要があります。


コンセプトが決まったら「マーケティングフロー」を設計する

次に考えるのが、

顧客が自社を知ってから購入するまでの流れ

です。

例えば、

認知

興味

共感

理解

信頼

体験

相談

購入

という流れがあります。

ここで重要なのは、

いきなり販売しようとしないこと

です。

顧客には、それぞれ意思決定までのプロセスがあります。

まず、

「これは自分の問題かもしれない」

と気づく。

次に、

「この会社は自分のことを分かっている」

と感じる。

そして、

「このサービスなら解決できそうだ」

と思う。

この順番を設計することが、マーケティングフローです。


ワンステップ動画は「説明動画」ではなく「変化のストーリー」

今回のセッションでは、ワンステップ動画の設計についても整理しました。

重要なのは、機能を順番に説明することではありません。

顧客の課題から未来までを、

一つのストーリー

として見せることです。

例えば、

こんなことで困っていませんか?

なぜその問題が起こるのでしょうか?

多くの人は、○○という方法を試します。

しかし、本当の原因は別のところにあります。

そこで、私たちは○○という方法を提供しています。

その結果、○○という未来を実現できます。

という構造です。

このとき大切なのが、

顧客が求めていることを、顧客が理解できる言葉に変換すること

です。

専門家は専門用語で考えます。

しかし顧客は、必ずしもその言葉を使いません。

良いサービスなのに売れない場合、

価値がないのではなく、

価値が顧客の言葉に翻訳されていない

ことがあります。


新規事業では「どの流通に乗せるか」も設計する

良いサービスをつくるだけでは、事業にはなりません。

顧客に届く仕組みが必要です。

つまり、

どの流通に乗せるのか

を考える必要があります。

例えば、

  • SNS
  • YouTube
  • Web広告
  • Amazon
  • 代理店
  • 金融機関
  • 業界団体
  • 地域コミュニティ
  • 既存顧客からの紹介
  • 他社との提携
  • セミナー
  • 展示会

などがあります。

新規事業では、

「自分たちはどこで売りたいか」

ではなく、

「顧客は普段どこにいるのか」

から考えることが重要です。


事業は「一本のストーリー」になっているか

新規事業がうまく整理できていないとき、

多くの場合、

ターゲット。

商品。

価格。

発信。

販売方法。

それぞれがバラバラになっています。

しかし、

ターゲット

困りごと

独自性

付加価値

顧客の未来

ストーリー

マーケティングフロー

流通

までが一つにつながると、

事業全体が一本のストーリーになります。

この状態になって初めて、

「何をすればいいのか」

が明確になります。


新規事業では、複雑さを増やすより、構造をシンプルにする

今回のセッションでも、最初は頭の中に多くのアイデアがありました。

やりたいこともある。

サービスのイメージもある。

でも、それぞれが整理されていない。

そこで、一つずつ言葉にして構造化していく。

すると、

「自分がやりたかったことは、これだった」

と見えてきます。

新規事業の戦略設計とは、

難しい資料を作ることではありません。

複雑なものをシンプルにし、行動できる状態にすること。

それが重要です。

株式会社Mapイノベーションでは、

AI × ファイナンス × マーケティング × 教育

を掛け合わせながら、起業家や中小企業の新規事業立ち上げ、事業設計、マーケティング戦略を支援しています。

新規事業は、

「何を売るか」から始めるのではなく、「誰をどんな未来へ連れていくか」から始める。

それが、事業を形にする第一歩だと考えています。