2020年1月21日開幕した世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)は「資本主義の再定義」が主題。
株主への利益を最優先する従来のやり方は格差の拡大や環境問題という副作用を生んだ。

そんな問題意識から経営者に従業員や社会環境にも配慮したステークホルダー資本主義を求める声が高まる。
中国主導の国家資本主義に抗する新たな軸への模索が始まった。
「我々の知ってる資本主義は死んだ」21日のダボス会議での討論会で
米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ CEOが声を上げた。
企業は株主への利益の最大化ばかりに目を追われ不平等と地球環境の緊急事態を招いたと語った。

伝統的な大企業の資本主義を問いただす IBM のジニー・ロメッティー CEO はダボスで「全てのステークホルダーに配慮することが事業継続の条件になる」と話した。
急速なデジタル化が進む中で従業員のスキル向上に経営資源を割くべきだと主張した。

従業員は地域社会の利益をこれまで以上に尊重する方針を Apple のティム・クック氏や JP モルガンチェースのジェイミー・ダイモン氏など有力経営者が署名し米企業の本気度を伺わせた今回の会議。今回の会議は「株主至上主義」の見直しをグローバルな場で再認識する機会になったと言える。

1970年経済学者のミルトン・フリードマン氏は「企業の唯一の目的は株主価値を最大化することだ」とエッセイで訴えたがその潮目は変わりつつある。
今年のダボス会議は社会全体の利益貢献を打ち出した1973年の宣言に基づき社会の分断や環境問題に向き合うステークホルダー資本主義を指針に掲げた
資本主義の再定義は単なる抽象論を超えて進む可能性がある

日本はこうした潮流に乗れているのか!
ステークホルダー資本主義は本来、買い手・売り手・世間の満足を目指す「三方よし」と通じ日本的経営となじみやすい。
だがダボスで議論に積極的に参加する経営者は少なく日本の影は薄い。

「論語と算盤」による経営が問われますね。