【開催レポート】戦略CFO養成講座 Day 1:新キャッシュフロー経営理論×生成AIで企業の「余命」を読み解く
こんにちは。次世代型財務コンサルティングを目指す「戦略CFO養成講座」のDay 1が開催されました。 今回のテーマは、「新キャッシュフロー経営理論」と「生成AI」の融合です。従来の財務分析では見えなかった「お金の真実」をどう導き出すのか、そのエッセンスをお届けします。
1. なぜ今、キャッシュフロー経営なのか?
コロナ融資の返済が始まり、多くの企業が資金繰りに直面する中、PL(損益計算書)上の利益だけを追う経営は限界を迎えています。 本講座が提唱するのは、PL・BS・キャッシュフローを1枚のシートで可視化する**「資金別貸借対照表」**を用いた経営判断です。これにより、お財布の中身を「性格別」に色分けし、どこで「お金の目詰まり」が起きているかを一目で特定します。
2. 資金の性格を4つに分類する「資金別貸借対照表」の魔力
この理論の核となるのは、現預金を以下の4つの「発生源」に分類する考え方です。
- 損益資金(自社資金):創業からの利益の蓄積。プラスであることが絶対条件の本業の稼ぐ力です。
- 固定資金:設備投資や在庫などの状況。本理論では、棚卸資産(在庫)は「現金が形を変えてロックされたもの」として、流動資産ではなく固定資金の運用とみなします。
- 売上仕入れ資金(サイト):回収と支払いのサイクル(サイト)の勝ち負け。急成長時にここが大幅なマイナスになると、黒字倒産のリスクが高まります。
- 流動資金(短期資金):上記3つで足りない分を補う「辻褄合わせ」の資金。ここに依存している状態は、いわゆる「自転車操業」を意味します。
**「借入金は利益の前借りである」**という考えに基づき、最終的には本業の利益(損益資金)で返済できているかを厳しくチェックします。
3. ケーススタディ:大塚家具の「見せかけの健全性」を暴く
2018年12月期の大塚家具の事例は、非常に衝撃的でした。 当時の同社は、自己資本比率62.2%と一見健全に見えましたが、資金別貸借対照表で分析すると実態は真逆でした。
- 分析の結果:32億円の現預金のうち、安定的に使えるお金はわずか2億円(6.4%)。残りの約30億円(93.6%)は「流動資金」による調達でした。
- AIによる深掘り:生成AI(NotebookLM)を用いて有価証券報告書を分析したところ、この流動資金の正体が、モルガン・スタンレーに対する**売掛債権の流動化(ファクタリング)**であることが判明しました。
表面的な指標では「合格点」でも、新キャッシュフロー経営理論で見れば、「企業予名(余命)」はあと1年という極めて危険な状態だったのです。
4. 生成AIがコンサルティングの「セカンドオピニオン」になる
本講座のもう一つの武器は、生成AI(GeminiやNotebookLM)の活用です。
- バイアスの排除:AIに財務データを読み込ませることで、人間の思い込み(バイアス)を排除した網羅的な分析が可能になります。
- ストーリーの自動生成:資金別貸借対照表の数値を入力するだけで、AIが「なぜお金が減っているのか」のストーリーや、経営者向けの診断レポートを瞬時に作成します。
- 圧倒的なスピード:膨大な資料からリスク要因を特定し、Power BIで可視化することで、コンサルタントは「分析」ではなく「意思決定のサポート」に集中できます。
5. まとめ:戦略CFOが目指す未来
Day 1を通じて、**「PL思考経営からファイナンス思考経営(BS・CF重視)への転換」の重要性が浮き彫りになりました。 AIという強力な「家庭教師」を味方につけ、資金の目詰まりを解消して企業を成功へ導く。それこそが、これからの時代に求められる唯一無二の「戦略CFO」**の姿です。
次回Day 2(2月24日開催予定)では、より実践的なAI活用術やPower BIによる可視化手法を深掘りしていきます。

