P/Lを真っ先に見る人は「アマチュア」⁉️ 経営はP/LからB/Sへシフト中!

現代、ビジネスの時代はP/L経営からB/S経営へとシフトしています。

かつてP/L経営は、「売上を上げ、コストを削減して利益を出す」ことに重点が置かれていましたが、この時代は終わりを告げました。P/L中心の考え方(P/L頭)から脱却しないと、いつまでたっても資金繰りが良くならず、ファイナンス上お金が残らない経営になってしまいます。

銀行員の間では昔から、「売上や利益(P/L)を真っ先に見る奴はアマチュアだプロはB/Sを見るんだぞ」と言われてきました。今でも、真っ当な行員であればP/LよりもB/Sを重要視するはずです。

なぜなら、P/LよりもB/Sにこそ、経営者のあり様や会社の方向性を読み解く鍵が隠されているからです。

企業価値のデザインはB/Sで決まる

企業価値のデザインは、そのB/S(貸借対照表)で行うものです。重視すべきはP/LではなくB/Sなのです。

B/Sは単なる決算書の結果ではなく、経営者がデザインするものです。経営者はファイナンスをしっかりと理解し、B/Sに基づいて会社の「あるべき姿」をデザインして経営をしていくことが重要です。

資産は「形を変えた現金」。いかに効率よく回すか

B/S経営の核心は、会社の資産を**「金が形を変えたものにほかならない」**と捉える点にあります。B/Sの左側(資産)に載っているものはすべて現金であるという考え方です。

B/Sは右側が資金の調達(負債・資本)を示し、左側がその資金の運用を示します。右側から入ってきた現金は、設備や在庫といった資産に姿を変えますが、これらも「形を変えた現金」です。

重要なのは、この**「在庫という現金」をいかに早く現金に換えていくか**、つまり現金回収を速くするという視点です。

例えば、ファーストリテイリングの柳井正氏は、できるだけ早く在庫をお客さんへ売って現金回収し、その現金で原材料を購入・生産に回す、高回転の構造で商品を回しているとされます。

資本コストを理解し、構造を設計する

B/Sの右側で資金を調達する際、株主からの資本や銀行からの借入金には、それぞれ**資本コストや金利(調達コスト)**がかかっています。

調達にコストがかかっている以上、経営者はB/S全体を効率よく、速く回していく構造を考えなければなりません。

残念ながら、日本の企業の8割から9割が、この資本コストの概念を把握できていないと指摘されています。B/S経営では、このコストを理解した上で、現金をいかに効率よく循環させるかという構造を設計することが求められます。

P/Lが利益という結果を示すのに対し、B/Sは利益を生み出すための構造と、それをデザインする経営者の戦略を示しているのです。

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