ファイナンス講座【Lesson1】
会計VS財務 2つの思考で経営を考える
成長の為に必要なファイナンス思考
「キャッシュは、事実。利益は、意見」
経営の意思決定が変わる!「ファイナンス」と「会計」の決定的な違いを理解する
1. 思考プロセスの違いを理解することの重要性
経営においては、会計人、財務人(ファイナンス)、そして経営者がそれぞれ異なる思考プロセスを持っていることを理解することが不可欠です。
もし経営者であるあなたが、会計人や財務人の思考プロセスを理解し、それを利活用しなければ、その知識を経営の意思決定に効果的に使うことができません。
また、この思考プロセスの違いを認識していないと、会計人と財務人の間でミスコミュニケーションが生じるという問題も発生します。
2. 会計とファイナンスの決定的な相違点
ファイナンス(財務)と会計は、重視する指標や時間軸において明確な違いがあります。
A. 重視するお金の側面:「利益」か「キャッシュ」か
- 会計人は、利益を主に見ていきます。
会計人の役割は、税理士や会計士のように、企業の活動を定義に基づいて整理し、その利益によっていくら納税すべきか、という視点を持つことです。 - 一方、**財務人(ファイナンス)**は、利益ももちろん大事ですが、もっと大事なのはキャッシュであると考えます。これは経営者がキャッシュを重要だと考えるのと同様です。
B. 時間軸:「過去」か「未来」か
時間軸の視点は、会計とファイナンスを区別する最も重要な要素の一つです。
- 会計は、企業が行った事業活動や経営処理を、過去の事業活動として決算にまとめ、税務申告のために整理していきます。したがって、会計人の時間軸は「過去」という概念に基づいています。
- **財務人(ファイナンス)**は、未来の会社をどうやって良くしていくか、未来のキャッシュをどうやって増やしていくかという時間軸で物事を見ています。財務人の思考プロセスは、過去をベースにするのではなく、未来を見ていくことにあります。
さらに、性格やアプローチという点でも違いがあります。一般的に、会計人は「きっちり」しているのに対し、財務人は「ざっくり」しているという特徴があると説明されています。
3. ファイナンスは未来のキャッシュを増やすための必須スキル
ファイナンス(財務)という言葉を聞くと、アレルギー反応を起こす方もいるかもしれませんが、ファイナンスを単に「きっちりとした簿記の知識」や「利益」だと捉えるべきではありません。
そうではなく、ファイナンスは会社を成長させ、会社の未来のキャッシュを増やしていくために必須のスキルであると捉えるべきです。
未来志向でキャッシュを重視するファイナンスのスキルを身につけることが、ビジネス力を向上させる鍵となります。
4. 経営者が身につけるべき「ファイナンス思考」
経営者にとって最も重要なのは、「お金の流れ」を数字としてではなくストーリーとして読む力です。
たとえば:
- なぜこのタイミングで資金が減っているのか?
- どの投資が未来のキャッシュを生むのか?
- どこに打てばレバレッジが効くのか?
これらを読み解く力こそが、経営の“羅針盤”となります。