IMF(国際通貨基金)は世界経済見通し(WEO)2020年1月
【世界全体】
2020年の成長率を3.3%と予測し(1月20日)
2019年10月時点の3.4%から-0.1ポイントと下方修正
(背景)
米中貿易摩擦・イラン情勢などの地政学リスクが残り「下振れ懸念が顕著」と警戒
新興国経済の弱含みの影響も大きい
大手ノンバンクの経営破綻で金融収縮に見舞われたインドは成長率5.8%と19年10月比1.2ポイントも下方修正
IMFは四半期ごとに世界経済見通しを改定しており下方修正は6期連続
19年の成長率は金融危機直後の09年以来10年ぶりの低い伸び率
【日本】
2020年の成長率0.7%
(背景)
消費税増税の影響で19年の1.0%から減速するものの需要喚起策を盛り込み19年10月の予測より0.2ポイント上方修正
(今後)
増税対策の押上効果が薄れる21年は潜在成長率並みの0.5%に減速と見込んでいる。
【米国】
米中貿易戦争の一時休戦はあるものの、20年の成長率は2.0%に減速する見通し。
(背景)
トランプ政権の大型減税やFRBの利下げ効果が薄れる
(今後)
21年には成長率は1.7%とさらに低下すると予測
【中国】
米中貿易戦争の休戦で20年の成長率予測6.0%と前回比0.2ポイント上方修正
(背景)
米国の制裁関税の大半を維持したままで「経済摩擦は未解決」と指摘
(今後)
21年は5.8%まで下がり、天安門事件直後の1990年以来31年ぶりに6.0%を下回ると予測
【ユーロ圏】
20年は1.3%と19年10月より0.1ポイント下方修正
(背景)
ドイツは輸出依存度が高く0.1ポイント下方修正
英国はEUからの合意なき離脱が回避
(今後)
緩やかな経済成長により21年は1.4%と維持